皆様こんにちは。
個別総合学習リアライズです。
先日、ニュースを読んでいると、興味深い記事を見つけました。
コロナ禍ということもあり、多くの学校でオンライン授業が行われていますが、その内容が難しすぎるというのです。
どういうことかと言いますと、対面ではなくオンラインになったことで、
「授業の進みが早すぎる」、「宿題が多くて困る」
という声が多く上がってきているとのことです。
「進むのが早くて授業についていけない」と答えたのは小学生19%、中学生35%、高校生48%でということで、高校生が割合としては高かったようです。
また、「宿題が多すぎる」という声は小中高全体で約3割の生徒が感じているようです。
オンラインにすることで何故このような混乱が生じるのでしょうか。
個人的な意見になりますが、教員の目線から考えると、やはり「クラス全体の雰囲気や生徒の細かい表情の変化が見え辛くなった」ということが大きな原因ではないかと思います。
集団授業をしている教師は、勘違いされがちですが、一人ひとりの顔を見ていないわけではありません。
むしろ、生徒の表情をよく観察して授業を行っています。
とある単元の授業をしていて、ある程度の区切りがついた時、教壇から生徒一人ひとりの様子を観察します。
集団授業において、「何か分からない所がある人はいますか?」と聞いたところで、殆どの場合、返事はありません。
ですので、生徒たちが本当に理解しているのかということはクラス全体の雰囲気で測ることが多いのです。
個別とは違い、集団なので、全員が全員完璧に理解しているという状態はなかなか作りにくいですが、
「8割の生徒が理解している場合の空気」と、
「2~3割の生徒しか理解していない雰囲気」は明らかに違います。
それに気づかずに先に進んでしまうと、理解できなかった生徒同士の教え合いによる私語が増えたり、諦めて寝始める生徒が出てくるのです。
こうなってくるともう授業の体を成しません。
そうなる前に、教員はその雰囲気を察し、もう一度最初から復習するなりして、クラス全体の雰囲気を改善させなければいけません。
個人的な意見ではありますが、私語や居眠りが多い授業というのは殆どの場合、生徒は悪くないと思っています。
根本的に教員に問題があることの方が多いです。
細かいことを言えば、自信が無さそうな話し方だったり、そもそも説明が下手だったり、細かい指示が徹底できていない等の原因がありますが、
まとめて言うならば、そういった授業のせいで生じている
クラス全体の「?」な雰囲気を教員が推し量れず、自分本位に授業を進めた結果が授業崩壊であり、被害者は生徒達なのです。
対面授業の良さというのは、こういった「雰囲気」を感じ取り、柔軟に授業内容の軌道修正や宿題の量の調整が行える点にあるのですから、そこをないがしろにしてはいけません。
しかし一方で、今、問題になっているオンライン授業ではこの「雰囲気を感じ取る」という作業がうまくいきません。
対面ではないせいで生徒の細かい表情や仕草を読み取れず、本来ならまだ次に進むべきではない場面でも教員は進んでしまいます。
これは生徒が悪いとか教員が悪いとかの話ではありません。
そもそも、オンライン授業というものに不慣れな両者なのですから、いつも通りに授業進行ができないのは当たり前のことです。
そうすると、生徒側からすれば「授業が早すぎる、宿題が多すぎる」という声が上がり、
教員側からは「授業がしにくい、ペースがつかめない」との不満の声が上がります。
解決策としては、元も子もない言い方ですが、お互いに「慣れる」しかないと思います。
変異種も流行している今、当面は完全に対面授業に戻れないのですから、両者に慣れてもらうしかないと思っています。
映像の遅れや音声の問題は設備や回線をより高品質なものに変えることが出来れば改善するでしょうが、
問題の授業ペースや宿題量の管理に関しては、生徒側も教員側もこのオンライン授業に慣れるしかありません。
教員は画面越しでも生徒の雰囲気を察知し、その都度、授業内容を修正できるようにするしかないのです。
日本はこういったオンラインの文化は普及し始めたばかりで、まだまだ一般化には時間がかかると思います。
ですが、不幸中の幸いというべきか、このコロナ禍でオンライン化が進んだことによって、
体調等の事情があって学校に来たくても来れない生徒が授業に参加できたり、帰りが遅くなることもないので保護者からしたら安心できたりと、
問題となっているデメリットもある一方、こういった良い側面もあるのが事実です。
そういったオンラインの恩恵を存分に受けるために、生徒も教員も一刻も早くオンライン授業を当たり前のものとして受け入れる必要があるでしょう。
それでは今回はここまで。
また次回お会いできるのを楽しみにしております。
コメント